地球という神秘なグラウンドで、人間の魂を健全に保つために様々な分野から呼び掛けていきます。大袈裟な題目がついていますが、要はどうでもいい事を徒然なるままに綴っています
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Location 精神世界商店INDEX文学と哲学>2003.08.03



 

サディスト、マゾヒスト、刺激ジャンキー、フリークスに贈る
「おすすめ愛毒本Vol.4」


by Naoko ジャンル 日本のエッセイ
断筆宣言への軌跡/筒井康隆(光文社)


 −アナーキー&デストロイ− 筒井康隆さんの本は、どれをとっても面白い。声を上げて笑いたくなるものから、キキキと黒い笑いを浮かべてしまうものまで様々です。SF作家という肩書きを持つものの、それは筒井さんのほんの一部の姿で、彼はありとあらゆること、特に今までの作家が怖れてできなかったことを、果敢にもばんばんとやってのけるすごい作家様なです。自らを「不良中年作家」と銘打っているだけあります。筒井さんは、日本文学における、シド・ヴィシャスと言えるでしょう。
 今回紹介するのは、小説ではなく、いろんな雑誌向けに書いたコラム集です。これは筒井さんが、差別用語問題で、日本てんかん協会に糾弾され、それに反発して断筆宣言をするまでの過去十年の間に書いたものです。
 「あたしゃキレました、プッツンします。」
 この文句で始まる断筆宣言は、あまりにも有名で、当時はそれほど文壇に興味がなかった人でも、耳にしたことはあったと思います。その頃、わたしは小学生だったので、リアルタイムにその事件を肌に感じることはできなかったのですが、そりゃあもう世間は大騒ぎだったようです。
 筒井さんの子供じみた行動を嘲る作家は多かったようです。実際、彼の行いは、感情的で扇情的なものと言えるかと思います。だけど言葉を扱う者として、表現が規制されるという事態に、何の動きもしない作家に比べれば、筒井さんの行動は、健全で自然なことのように感じます。言葉狩りは、作家という職業に対する差別だと思いませんか?
 『連載していた某紙では、狂という字が使えなかった。』と当コラムに書かれてあります。ケダモノの王という字そのものがいけない、というのがその理由だったようです。この言葉狩りを行き過ぎと思うか、当たり前だと思うか、それは人それぞれでしょうが、どちらに転んでも、古来から我々が使っていた言語を抹消するという行いが、自国の文化やアイデンティティーを否定するという点に置いては、変わりない事実であることは確かだと思います。
 この言葉は使っちゃいかん!でもなぜ?その答えに本当に満足を得られる道徳の授業を、わたしたちは受けてきたでしょうか?わたしの記憶による限り、質問に対する答えは、いつも差別される側の身になってみろ、という答えでした。バカをバカと言っちゃだめ。ブスをブスと言っちゃだめ。これじゃあよく分からないですよね。だから下手な道徳の授業なんかより、中高校生にこの本を読ませた方がよっぽどいいのではないか、とわたしは思います。こういう切り口で、差別問題、人権問題を、改めて考えてみてはいかがでしょうか?

 刺激度★★★★☆
 危険度★★★★★
 アナーキー度★★★★★
 爆発度★★★★★
 対象 芸術家志望者及び表現者志望者向け

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